【睦月館】

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ア・リトル・ドラゴン2 眠れる巨人の秘密 中村うさぎ 電撃文庫 評価:D
典型的なゲーム型ファンタジーである。
とにもかくにも、ストーリーの進め方が強引すぎる。
また、クエストや謎の解き方、その後の解説などの底が浅く、のめり込めない。

また、キャラクタの描写も登場人物の視点でのモノであるため、おざなりな感じである。

総合的に見て評価はDとする。
全体としてレベルが低く、小説としてはあまり楽しく読めるものではない。

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電脳天使 3 彩院忍 朝日ソノラマ 評価:C-
電脳天使シリーズの3作目。
本作で、COWINとの戦いは一応の決着を見る。

全体を通しての印象は、「詰め込みすぎ」である。
主人公の一人である篠崎零の復帰とCOWINとの最終決戦というかなりボリュームのあるストーリーが2本ある上に、登場人物の多さやサイバースペースと現実世界の両方の描写を必要であるという条件が重なったため、描くべきシーンが非常に多くなってしまっている。
このため、それぞれのシーンの描写がおざなりなものになり、ストーリーの流れにも歪みが生じている。
もう少し、ストーリーやシーンを整理すれば面白いものになったのに残念である。

シーン描写や読みにくさを考え、評価はC-とする。

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亜妖精物語 葛城稜 電撃文庫 評価:A-
正統派のフェアリーテール(妖精物語)である。
出てくる妖精達もエルフというより“リトル・ピープル(小さき人)”という方がしっくりくる。

ストーリーには、不満が残る。
世界の状況や、人々の行動はあっても、肝心のなぜの部分が描かれていないからだ。
また、ストーリーそのものにも決着がついていないし、これからの展望があるわけでもなく、途中で投げ出したという印象が有る。

逆に、個々のシーン。特に妖精が出てくるシーンは魅力たっぷりである。
『ケルト幻想物語』などが好きな筆者としては、こういった妖精が出てくるのがとてつもなく嬉しいのだ。

評価はA-とする。妖精が好きで、雰囲気を楽しめるなら買って損の無い作品だろう。

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マリーのアトリエ ザールブルグの錬金術師 工藤治 電撃文庫 評価:D+
プレイステーションで出た同名のゲームのノベライズ版。
ただし、ゲームとは違って小説の出来は?である。

個々の出来は悪くはない。個々のシーンの描写はちゃんとしているし、ストーリーの流れもツボを押さえていて自然である。
ただ、面白さというものが全くない。

描写がビジュアルに偏りすぎていて、小説でしか描けない部分。
キャラクターの心情描写や、バックグラウンドが描かれていないのだ。
主人公のマリーについては、一応、描かれてはいるもののストーリーからすると浮いた感じがして、取ってつけたような感じは否めない。

よって、評価はD+とする。
少なくとも、小説としては読む必要はない。

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禁断の魔淫玉 トレジャーガード沙羅 中笈木六 ナポレオン文庫 評価:C+
超古代の遺産を巡って、遺産を守る“封じの一族”とそれを奪おうとたくらむ“遺産の担い手”との闘いをえがいた現代ファンタジー。
わかりやすく言えば、スプリガンをポルノにして、そこにラブコメを一つまみというところだろう。

主人公の幼なじみが、実は“封じの一族”(つまりヒーローだ)で、遺産の争奪戦をきっかけにラブラブになるという展開は、ラブコメの王道といっていいと思う。
また、出てくる女性キャラ全員にHシーンがあってサービスも満点である。

素直にストーリーを楽しむのなら、お薦め。
よって、評価はC+とする。

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まゆ 青木智彦 APRICOT NOVELS 評価:C
よくあるHノベルである。
一人暮らしの主人公の所に“まゆ”という妖精が転がり込んでくる所から、主人公がHな状況に巻き込まれるという点からして、典型的といっていい。
最期には恋人を見つけるというのもそうである。

ストーリーは、可もなく不可もなし。
流れに無理はないし、各キャラクタの描写もしっかりしているが、いわゆるとがったところが無いため、凄さというか面白さがそれほど感じられない。

よって、評価はC。安心して読める作品である。

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Rookies 桜花女子学院事件ファイル もやひなた CaRROT NOVELS 評価:C+
同名のPC版アドベンチャーゲームをノベライズ化したもの。
探偵物の体裁を取ってはいるが、実際はヤングアダルト型の成長物である。
主人公は、新人の私立探偵。今回の仕事が、初めての依頼らしい依頼である。(これまでは、浮気調査や迷子の猫の捜索とかだった。)

事件は、簡単な殺人事件である。しかし、主人公はこれをすぐに解決できないし、わざわざ自分から危険に飛び込む真似もしている。
そのため、ミステリーとしての面白さは無きに等しい。

また、成長物として見た場合も不満が残る。成長の儀式となるべきイベントが、単なるHシーンで終わっている点である。
Hシーンなのが、問題なのではない。
そこまでにたどり着く経緯が、十分に描写されていない点である。
ミステリー物である弊害かもしれないが、どうしても事件や状況の描写に比重をおいているため、成長物に重要な各キャラの心情描写があまり描かれていない。
このため、Hシーンが唐突な印象を受けるし、キャラクタの心情に感情移入できないのである。

よって、評価はC+とする。

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クラスメート イー・リンリンの場合 紺野たくみ 電撃文庫 評価:C-
ルームメイト 〜井上涼子の場合〜の姉妹編。
女子高校生と同居するというシチュエーションは、そのままに、キャラクターを完全オリジナルにしたものである。
ストーリーはというと、はっきり言って面白くない。
一言で言えば、視点が散漫なのだ。
ヒロインになるべき同居人が、従姉妹の由加里と中国から留学してきた鈴々の二人と多いし、バイブレーヤとなるべき脇役陣にも等分にスポットを当てているため、ストーリーが分散してしまっている。
このために、メインのストーリーがせかせかした印象がし、のめり込めない。

よって、評価はC-とする。

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ACCESS 機械じかけの戦乙女 泥士郎 スニーカー文庫 評価:A-
典型的な美少女ロボット物。
ヒロインであるロボット(作中では、サーヴァントと呼ばれる)の性格は素直で優しいというパターンどおりのものである。
設定なども型通りのもので、そういった点から見ると高い評価は与えられない。

なんといっても、この作品の魅力はキャラクターにある。
特に主人公の(義理の)母親である野神ちづる。筆者としては、こういったほんわかキャラが大好きなので、これだけでも評価が甘くなる。さらに実は、天才研究者ってのもポイントが高い。
さらに、各キャラクターの性格の書き分けがしっかりしているということが上げられる。
主人公であるアキラ・アキラが作成したサーヴァントで本編のヒロインであるヒルデ・アキラの幼なじみで気の強い恵美子、さらには恵美子のサーヴァントのライオット。 こういったメインキャラがどんな奴なのかは本編を読めば一発で理解できる。
これは、各キャラの性格・特徴を端的にあらわすエピソードをしっかりと入れてある事や、各シーンでのキャラの言動が一貫しているからで、この事が作品を読む上で読みやすさをかなり向上させている。

もう一つは、作品の構成がしっかりしていること。
特にストーリーの序盤ではった伏線を、後半で過不足なく生かしてる所は、ストーリーテーリングに並々ならぬ技量を感じさせる。
それだけでなく、世界観の説明やキャラクタの紹介などもうまくストーリーに組み込まれているので、素直に作品に入って行ける。
読みやすさという点で言えば、かなりの評価を上げていい作品である。

総合評価はA-とする。
いわゆるSFとしての凄さはないのだが、エンターテイメントとして素直に楽しめる作品である。