霜月館

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乱読文庫館 / 閲覧室 / 霜月館

1997年11月の書評


魔法の用心棒ミオ 1 大迷惑!ソロモンの秘宝回収計画
C-
メルティランサー 3 ヒトゲノム計画 B
コミュニケーション不全症候群 C+
メガブレイド 4 C+
魔辱の館 快楽に魅せられた少女たち B
かくも偉大な冒険者 ザ・ラスト・オブ・ファイブリア D-
魅魎暗躍譚 北斗の娘 (2) B
古墳バスター2 太陽より愛をこめて B-
水の都の王女 A+
ただいまイケナイ実験中 世界で一番危険な男 C+
HiすくーるJam ザ・スクール・プレジデント B
魔法探偵まぁリン4 エターナル・レガシー C-
魔法の用心棒ミオ 1 大迷惑!ソロモンの秘宝回収計画
[魔法の用心棒ミオ 1 大迷惑!ソロモンの秘宝回収計画]
あらいりゅうじ 電撃文庫 評価:C-
ライトノベル ライトファンタジー 萌え

いわゆるキャラの魅力とノリで勝負するタイプの小説である。
つまりは、どれだけ魅力的なキャラクターをつくれるかどうかが本の面白さを決めると言っていい。

キャラクターという点では、この小説は合格だと言えるだろう。
主人公であるミオの元気さもそうだが、何といっても彼女の従魔であるポコであろう。 とにかく泣き虫で優しくて健気で、彼女にしたいタイプNo.1である。

ストーリーは特に見るべきものはない。典型的な現代ライトファンタジーである。 可もなく不可もなくというところである。

評価は、キャラクターの魅力を考えてC-とする。

メルティランサー 3 ヒトゲノム計画
[メルティランサー 3 ヒトゲノム計画]
山下卓 電撃文庫 評価:B
ライトノベル ライトSF ゲームノベライズ オリジナルストーリー

SFマニアである筆者にとっては、この作品はかなり好みである。
正しくSFしてくれるというだけでも、評点はかなり甘くなっていると思う。
以下の評価はその辺を割り引いてくれて欲しい。

本作の感想は詰め込み過ぎという点につきる。
ヒトゲノム計画とそれに巡る陰謀・メルティランサー崩壊の危機・(本作の主人公である)サクヤの過去など、書くべきテーマの数を考えるとこのページ数は少なすぎる。
このため、ほとんどの描写が状況の説明で終わっており、各テーマの掘り下げが浅いのだ。

例えば、サクヤの過去についても家族を思い出すシーンがちょっと入っているだけで、彼女がランサーになった具体的な理由や家族との相克などは書かれていない。
こういった部分をもっと掘り下げて言けば、話に深みがでてもっと面白くなるのに残念である。

基本的な描写やシーン構成は合格点。
ちょっとビジュアルに傾き過ぎのきらいはあるものの、スピード感のある描写は十分に楽しめるし、シーン構成に無理が無いので読んでいてひっかかることが無い。

そういうわけで、評価はBとする

コミュニケーション不全症候群
[コミュニケーション不全症候群]
中島梓 ちくま書房 評価:C+
評論 オタク

6年前の本ということもあり、書いてあることが少々古い感じがする。
例えば、執筆時にはゲームデザイナーが花形職業になるとか、インターネット が大流行するとかは想像も出来なかったはずである。
こういったことを割り引いて考えれば、この本は結構うなづけることも多いし、楽しめると思う。

そういうわけで、評価はC+とする。

メガブレイド 4
[メガブレイド 4]
出海まこと 青心社 評価:C+
ライトノベル ライトファンタジー Hノベル 魔剣 萌え 美少女

H度200%UPというのが、読んでみての最初の感想である。
大体、本作の新キャラ2人組みが妙にオタク心をくすぐるのだ。

まずは、魔剣の使い手である“王刀虎”。
名前から見てもそうだが、使う剣が子どもの身長ほどもある刀という点からして、どう見てもサムライスピリッツの王虎に見えてしまう。

もう一人は、魔剣の宿体である“唯梨”。
童顔で3つ編みで眼鏡っ子でIカップのナイスバディでメイドさんで・・
いわゆるオタクに媚び々々という感じである。
ただし、活躍するのは最初の1章のみ、特に彼女の場合、魔剣に変身してしまうと出番がなくなってしまうので、出番はさらに少ない。
次巻の活躍に期待しよう。

ストーリーとしては、インターミッションという感じである。
メインである超魔剣“ルシファー”争奪戦の方は一休みし、魔物封じと駿介をめぐる三角関係が物語の軸となっている。
もちろん、それなりに面白いし描写などもうまいのだが、本作は今までと比べ微妙に読みにくいのだ。
これは感覚的な話なので、うまく説明できないのだが、話の流れが凄く速いモノとかなり遅いモノの2つが同時に流れている感じがする。
読んでいるときは、速い方の流れにのってすいすい読んで行けるのだが、これがどうも心地悪い。もう一つの流れのために、足が引っ張られている感じがする。
また、このために何か大事な事を見逃したような気になってしまう。
惜しい部分でもある。

そういう訳で、評価はC+とする。
アクションシーンの緊張感や、Hな描写など読むべき部分のレベルが高いので、そう損はしない作品であるということだ。

魔辱の館 快楽に魅せられた少女たち
[メガブレイド 4]
美風流司 ナポレオン文庫 評価:B
エロライトノベル Hノベル ホラー 美少女

ホラー+学園Hもの。
転校を繰り返していた主人公が、ある学校の寮に入ったことがきっかけでそこに潜む悪霊を目覚めさせてしまうというもの。
もちろん、このシリーズなので起きる事件は全部H絡みである。

ストーリーは、基本に忠実と言っていいと思う。
導入部での、Hシーンを覗き見るところ、親友が事件に巻き込まれるところからしてそうだし、中盤の真相を解説するところから一気に寮全体に舞台を広げるところなど、ホラー物の基本であろう。
そのためか、比較的読みやすく感じる。
また、Hシーンもサービスたっぷりなので、そういうのを期待する向きにはお薦めであろう。

不満点は、事件の真相に説得力が無いことと、主人公がなぜ転校を繰り返していたかなどの背景があまり描写されていないこと。
この作品がホラー物であり、論理的整合性よりは雰囲気を重視したという事を考えれば、この方が良いのは当然なのだが、ちょっと残念な部分である。
また、コミカルな部分やラブラブな部分が無いのも不満な点。これも方向性の違いなので、仕方が無いのだが残念である。

結論としては、読者を選ぶ傾向はあるにせよ読んで損はしない作品であろう。 Hシーンは素直に楽しめるし、ホラーとしても良い出来だと思う。
ラブコメ好きな人には向かないが、楽しめる作品。
よって、評価はB

かくも偉大な冒険者 ザ・ラスト・オブ・ファイブリア
amazon / 楽天 / bk1
友野詳 スニーカー文庫 評価:D-
RPGノベライズ パロディ

とにかく、シリーズを終わらせただけ。
出来の悪いパロディの集積で、どこにも読む価値がない。 評価はD-

魅魎暗躍譚 北斗の娘 (2)
amazon / 楽天 / bk1
前田珠子 スーパーファンタジー文庫 評価:B
ライトファンタジー 和風

和風ファンタジーシリーズの第2巻。
いわゆる、ライト系のファンタジーでキャラクター主導なのは相変わらずである。 とはいえ、ストーリー自体もしっかりしているので、物語を楽しみたい人にも楽しめる作品。

この作品もそうだが、前田作品の魅力はしっかりと構築された独特の世界観。そして、生き生きと描かれたキャラクターであろう。
とくに、性格の悪いキャラクターを描かせたら天下一品である。
この作品の若菜乃春日氏など、近くに居たら絶対近寄りたくないタイプの筈なのに、なぜか好感を持ってしまうのは、それだけ魅力や存在感があるせいだと思う。

ストーリー自体は進んでいない。
キャラクターはやるべきことをやっているし、話も展開させているのだが、まだ起承転結の起の部分なので、そういった印象を受けないのだ。
また、本作で新しいキャラクターが登場しているため、彼女の紹介などにページが取られていることも影響しているのだろう。
もちろん、シリーズ終了時にはちゃんと決着を付けてくれる作家なので、その辺は特に心配していない。逆に、期待感が増す方である。

何にしろ、ストーリーは楽しめるし後の期待も持てるという点も考え、評価はBとする。

古墳バスター2 太陽より愛をこめて
amazon / 楽天 / bk1
七尾あきら スニーカー文庫 評価:B-
ライトファンタジー

一言で言えば、ノリの良い作品。
キャラクターが立っていて、生き生きと動いてくれる。読んでいて気持ちの良い作品。

また、文章もうまい
ひたすら読みやすい文章で、最後まで一気に読み通させる。

とにかく、楽しい気持ちになる作品である。
よって、評価はB-

水の都の王女
amazon / 楽天 / bk1
J・グレゴリー・キイズ ハヤカワFT 評価:A+
本格ファンタジー エピックファンタジー

久しぶりに、ちゃんとしたファンタジーを読んだ気がする。
異世界の描写・神々や精霊といったものの存在感・ストーリー構成の巧みさ、そういったものすべてが高水準であり、非常に満足の行く出来である。

特筆すべきは、世界観の奥行きの深さであろう。 例をあげれば、牧畜の民バルク族における部族間のつながりや人々の行動規範である<ピラク>というもの。あるいは、大河の帝国ノールにおける神官組織。こういったちょっとした描写の中に、言語・生活習慣・社会構造といったものの細かい設定の存在とそれをさりげなく使用する作者の力量というものが感じられる。

誰に対してもお勧めできる貴重な一冊。 誰かをSFやファンタジーのファンにしたいなら、これを読ませるべきといってもいいくらいである。
よって、評価はA+とする。

ただいまイケナイ実験中 世界で一番危険な男
amazon / 楽天 / bk1
紅くりす ナポレオン文庫 評価:C+
Hあり コメディ

要するにHモノである。 ストーリーは、主人公の佐久間条二が猿顔と絶倫のせいで、日本最古の原人と間違われ、謎の科学者にさらわれるというもの。
この原人の特徴が、通常より巨根とか絶倫とかというモノで、条二クンは当然のごとくHな実験を強要されるのである。

Hシーンは○。主人公の弟のお相手である二人の女子高生が可愛いのだ。
特に、あこがれの相手である姫野恵里香が小柄・三つ編み・純情系の美少女というまさに筆者好みのタイプだったりするので、特に良い感じがする。

評価はC+。ストーリーはしょうもなかったが、Hモノだし好みの子が出ているので損はしなかったというところだ。

HiすくーるJam ザ・スクール・プレジデント
amazon / 楽天 / bk1
内藤みか BESTゲームノベルス 評価:B
美少女ゲーム ゲームノベライズ Hノベル

同名の美少女ゲームのノベライズ版。
つまりは、Hありの青春ラブコメ学園物。

ストーリーは、元女子校に入学した主人公が生徒会長に立候補するというもの。もちろん、Hモノらしく主人公は体を張って選挙活動をするのであった。(笑)
話自体は、可もなく不可も無し。ゲームの方はやったことが無いので解らないが、登場する女の子のイベントを単に羅列した感じである。変にアレンジをしていない分、よい部分も悪い部分もないのだ。

Hシーンは、まぁまぁ。変にねちっこい描写は無いが、シーンそのものをしっかり描いているので、ちゃんとヌケる描写になっている。

ちゃんとしたH描写を評価して、総合評価はBとする。

魔法探偵まぁリン4 エターナル・レガシー
amazon / 楽天 / bk1
大迫純一 青心社 評価:C-
ライトファンタジー 魔法少女

魔法探偵まぁリンシリーズの4巻目で、最終巻。
話のノリやテンポが良く、それなりに楽しめる作品。
逆に言えば、良いところはそれだけである。

ストーリーはどっかで見た感じだし、キャラクターやモンスターもそう。 ところどころに出てくる映画のタイトルやどっかで聞いたような決めセリフが 興ざめである。

ストーリーがパターン通りのを悪いとは言わない。 話が理解しやすく、小説に没頭できるという意味では、その方が正しいとさえ 言えるであろう。
ただ、それだけでは説得力が無いのだ。
如何に読者を主人公と一体化させるか、如何に主人公の感情を読者に伝えるか、 この小説はそういった部分で失敗している。
それゆえに、うまく話しにのめり込めないのだ。

以上より、評価はC-とする。




$Revision: 271 $
$Date: 2007-12-23 16:50:50 +0900 (日, 23 12月 2007) $